
AIの進化が加速する中、私たちはどのように向き合い、活用していくべきなのか。EdFusionは、「AI時代の教育」をテーマに、AIを単なるツールではなく「自己表現の手段」として活用することを提案しています。
ワークショップやメディアを通じ、多くの人にAIの可能性を伝えてきたEdFusion代表の近藤にこるさんに、活動の背景や今後のビジョンについて話を伺いました。
EdFusionとは? 取り組みの価値と目的
—— EdFusionの取り組みについて、一言でどのような価値を提供しているのかお伺いしてもよろしいですか?
EdFusionを一言で表すなら、「AI時代の教育を作る」ということになります。AIが急速に進化する中で、私たち人間はAIとの向き合い方を考える必要があると感じています。
AIが普及することで「仕事が奪われるのではないか」といった不安の声もありますが、私はそうではなく、AIは「自己表現のためのツール」になり得ると考えています。
活動の広がり コミュニティとメディアの役割
—— ワークショップやメディアなどで活発に活動されている印象があります。コミュニティとメディアの活動について、それぞれどのような意味を持たせて活動しているのかお伺いできますか?
コミュニティの活動では、ワークショップやスクールを通じて、AIを実際に触って学ぶ場を提供しています。
例えば、地元のカフェで小学生からご年配の方までが一緒に参加できるワークショップを開催し、AIをより身近に感じてもらえるような機会を作っています。
さらに、学校の部活動として「起業部」を立ち上げ、学生同士がアイデアを出し合いながら学び合える環境も整えています。
メディアの活動としては、毎週木曜日にYouTubeで「教育×AI」をテーマにした配信を行っています。ゲストを招いた対談や、最新のAIツールの紹介を通じて、より多くの人にAIの可能性を知ってもらうことを目指しています。
参考:にこるのAIチャンネル
ワークショップ参加者の変化とやりがい
—— ワークショップを開いている側として、やりがいを感じる部分や、参加者の変化などについてお聞きしたいです。特に初心者の方が多く参加されている印象ですが、どのような変化が見られましたか?
ワークショップには、本当にAIを初めて触る方が多く参加されています。例えば、職場にAIを導入したいと考えている方や、「最新技術だから気になる」と興味を持って参加されるご年配の方もいらっしゃいます。
最初は「難しそう」という不安を抱えている方が多いですが、ワークショップが進むにつれて、皆さんわくわくしながら取り組んでいるのが印象的です。
例えば、AIを使って音楽を作るワークショップでは、カフェのオーナーが店内で流すオリジナル楽曲を作成したり、参加者が自分の名前を入れて友人へのプレゼントにするなど、実生活に活かすアイデアが次々と生まれています。
一度参加された方が、「もっと学びたい」と何度も来てくださることも多いです。AIの分野は幅広いため、一度ワークショップに参加して終わりではなく、画像生成、文章生成、動画編集など、さまざまなテーマに触れながら繰り返し学んでいくスタイルになっています。
AI教育における「楽しさ」の重要性
—— AIを使えるようになることだけでなく、「楽しむこと」を大切にされていると感じました。その点について、こだわりや大切にしていることがあれば教えてください。
私がAI教育で大切にしているのは、「AIを活用すること」以上に「どう楽しむか」という部分です。AIの進化によって、作業の効率化はもちろん可能ですが、最終的には「楽しい人生を送ること」が一番大事だと考えています。
例えば、プレゼン資料を作る際にAIの画像生成を活用すれば、自分の世界観をより豊かに表現できます。私は人前で話すことが好きなので、AIを活用することで、伝えたいことをより魅力的に伝えることができると感じています。
それぞれの人が自分に合った方法でAIを活用し、「自分らしさを表現する」ためのツールとして使ってほしいと思っています。
アントレプレナーシップと今後のビジョン
—— 起業部ついて先ほどお話がありましたが、アントレプレナーシップ(起業家精神)教育の今後の活動ビジョンについてお伺いできますか?
今後も「AI時代の教育」を軸に活動を続けていきますが、特に次世代である小中高生に「起業」という選択肢を広げていきたいと考えています。
現在、学校の部活動として「起業部」を立ち上げ、6人のメンバーとともに活動しています。お互いのアイデアを出し合いながら、新しいことに挑戦する場として運営しており、プレゼンやイベント参加を通じて実践的に学ぶ環境を作っています。
また、単なる起業支援ではなく、「自分のスキルを活かせる場を提供すること」に重点を置いています。例えば、小中学生が「先生」となり、自分の得意なことを教え合う仕組みを作ることも考えています。
大人の世界では、自分の得意な分野を活かして仕事をすることができますが、年齢が低いとその機会が少ない。だからこそ、次世代の子どもたちが自分らしくいられる環境を作ることが重要だと思っています。
AI教育を世界へ そのための戦略と展望
—— 「AI時代の教育」を世界に広げていくために、具体的にどのようなアクションを考えていますか?
まずは、日本国内でAI教育の環境を整えていくことが重要だと考えています。いきなり海外に広げるのではなく、まずは小中高生を中心に、日本の教育環境の中でAIを活用できる場を増やしていくことが優先です。
その一環として、YouTubeなどのメディアを活用し、より多くの人にAI教育の可能性を伝えることに力を入れています。また、学校の「起業部」のような活動を全国の教育機関に広げていくことで、子どもたちがAIを使いながら自分の可能性を発見できる環境を作っていきたいです。
最終的には、日本でのこうした取り組みを通じて、次世代の子どもたちとともにAI教育の価値を世界へ発信していきたいと思っています。私一人で海外に広げるのではなく、日本の若い世代と一緒に世界へと挑戦していくことが、持続的な広がりにつながると考えています。
AI教育をより多くの人へ メディアを通じた発信とメッセージ
—— YouTubeなどのメディア発信を通じて、どのような人にAI教育を届けたいですか?また、特に伝えたいメッセージはありますか?
特定の層に限定するのではなく、「年齢や性別を問わず、AIを活用して人生をより楽しくしたいと考えているすべての人に届けたい」と思っています。AIを「単なるツールとして使う」のではなく、「自分の個性を引き出す手段」として活用してほしいです。
例えば、農業をしている人がAIを活用して作業を効率化しながら、もっと自由な時間を作ることもできますし、アートが好きな人が画像生成AIを使って新しい表現方法を生み出すこともできます。
すでに仕事でAIを使っている人だけでなく、今はまだ興味がなくても「何か新しいことに挑戦したい」と考えている人にも、ぜひ知ってほしいです。
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