
昨今、多くの企業で業務効率化ニーズが高まっており、RPA※市場が成長してきております。 ※RPA(Robotic Process Automation。パソコン自動化ソフトウェア)
PKSHA Associatesでは、「日本の労働人口をソフトウェアで無限大にする」という目標のもと、RPAソリューション「ロボオペレータ」や「ロボマネージャ」を中心に、業務自動化を支援するソフトウェアの開発・販売を行っています。
今回は、PKSHA Associatesの藤田真任さんと生水鴻秀さんに、初心者でも挫折しない現場型RPA「ロボオペレータ」について、お話を伺いました。
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人材不足時代の救世主 - 全てのオフィスワーカーのためのRPAツール「ロボオペレータ」
—— まず、ロボオペレータのツールを一言で言うと、誰の何の課題を解決するものでしょうか?
藤田 ロボオペレータを一言でいうと、現場でパソコンを使って業務を行っている方々の業務工数を減らすためのツールです。
求人を見ると未だに「Excel作業やデータ入力などのパソコン業務」っていうものが多いと思います。労働人口が減少していく中で、人間が人間にその仕事をやらせている以上、半永久的に採用活動をし続けないといけないじゃないですか。採用した方に業務のやり方を教え、その人が休んだりやめたりすると、また採用して教育…となるのが課題だと思います。
どうせいつか教えるならば、人間じゃなくていい業務はロボットに教えてしまえば、その業務はだんだん人の手から離れていきますので、安心できますよね。つまり、採用の問題を解決することにつながるんです。
単に業務効率化だけでなく、オフィスワーカー全般が使いやすいように設計されていますので、情シスや開発者だけでなく、現場の方々にも対応できるんです。今までだと情シスが設定して、何かあったら情シスに頼っていた部分も、ロボオペレータなら現場が主導でできるので、情シス担当から手離れして運用しても業務改善までできます。
もちろん、ロボオペレータは情シス担当の業務改善にも役立てていただいております。全てのオフィスワーカーが対象になるのも、ロボオペレータの特徴なんです。
現場主導型アプローチ
現場主導の業務自動化を目指して - ロボオペレータの開発背景
—— ロボオペレータの開発の目的や背景をお伺いできますでしょうか。
藤田 開発の目的は業務の自動化ツールを通じて、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、労働人口の減少に伴う問題を解決することです。
元々、一般的なRPAとは、エンジニアが新しいシステムを作成する際に行う大量のデータテストを自動化するために開発されたという背景があります。何千件ものデータを手動で試すのは大変なので、それを自動で処理できるツールが欲しかったんですよね。そのため、開発者にしか扱えない「システム的なRPA」という立ち位置でした。
一方、ロボオペレータは、現場(非IT部門)に適した実用的な自動化ツールを目指し、実はRPAという言葉が世に広がる前から開発されておりました。
弊社の開発チームは「システム的なRPA」と「現場向けのRPA」とは違うものだと考えています。RPAという概念が先にあり、その枠に収まるように開発されたのではなく、現場のニーズに合わせた実用的な自動化ツールを目指して開発された現場向けのRPAがロボオペレータなんです。
IT主導型アプローチ
RPA導入の「失敗」を超えて
—— ロボオペレータを使われているお客さんの、導入時や利用時の課題についてお聞きできますでしょうか。
生水 例えば単純に「業務を自動化したい」「業務効率化したい」「業務改善したい」というお客様がまず大前提にいます。
その他にも、RPA自体が世に出てもう7、8年経っているので、過去にRPAを導入されて、失敗に至ったお客様も中にはいらっしゃいます。そういう方々が、ロボオペレータなら成功するのか、という期待を持って問い合わせ頂くケースもあります。
—— お客様が過去にRPA導入で失敗したと認識しているのはどのような部分でしょうか?
生水 RPAが世に出た当時は、どちらかというと情シスや開発担当者がデータテストや膨大なデータ移行に使うようなツールでした。そのため、経理や総務などの現場担当者が使いこなすのは難しかったんですよね。なので、非IT部門に導入してもうまく活用できないため、当時は失敗したと感じたというお客様が多くいらっしゃいます。
—— つまり、RPAの使い方に対してハードルが高くて、どうしたらいいのかわからないという印象を持っているのでしょうか?
藤田 そうですね。大手企業は何かしらのRPAが既に入っているのですが、その動いているロボットはシステム担当の人が設定する、という前提の作り方をされているものがほとんどです。
ただ、リスキリング的な視点でいうと、現場の方々でも使えるとか、使う人を選ばないとかっていうのが今求められてきています。昨今、働き方改革やDXが叫ばれてきて、RPAに求める中身が少し変わってきているんです。各部署、各現場で、DXがおのずと行われていくようなツールが求められてきているんですよね。
当時のシステム担当者が触るようなツールだと、現場の方々には難しくて、「RPA導入してみたけど心が折れちゃいました」となってしまいます。「頑張ってロボットを作ったけど、更新するのが大変でうまく運用できませんでした。なので結局人の手に戻っています。」というお客様もいます。
このような課題に対して、「私でもできるかも」「チームで使えるかも」と思っていただけているというのがロボオペレータの強みです。
「何を自動化すべきか」から始める - 業務改善の本質に迫るサポート体制
—— では、現場の方々が使いやすい状態を目指すためのお客様に対する教育体制やサポートについて、具体的にお聞かせください。
藤田 サポートについては2つ特徴があります。
1つ目は、「誰でも使えて問い合わせが発生しないように設定画面そのものを使いやすくする」ということです。
どなたでも直感的に操作できる設定画面
2つ目は、「対象の業務をどういうふうに見つけるか」「どんなものが対象なのか」という洗い出しからサポートしてスタートするというやり方を取っていることです。
ロボオペレータが他RPAツールと大きく違うところは、対象の業務が特定されないというところです。パソコン上で行う業務は全て対象になります。そのため、各社、RPAを導入している部分や業務はバラバラです。
例えば、同じ給与計算といっても各社によってやり方が違って、全く同じロボットというのが存在しません。そうなると、実際のどの業務をRPAにするかというのは我々だけでは判断できません。
まずは「何を自動化するべきか」を知ることからサポートしているのです。システム会社のよくあるサポートだと、「システム的なサポートや問い合わせがあれば答えます」というのが多かったりすると思います。
しかし、ロボオペレータの場合はこちらから積極的にヒアリングを行い、お客様に自動化したい業務やいつもやってる業務をピックアップしてもらいます。その上で、優先順位をつけて進めていくというサポート体制です。お客様の業務に目を向けているというのが、特徴であり強みの部分かなと思います。
—— 全く知識がないお客様でも、伴走しながら形を作っていけるような仕組みやサポート体制を整えているようなイメージですか?
藤田 そうですね。特に最初の段階では、どの業務をRPAに適用できるかが分からないというお客様が多いです。自分が普段当たり前にやってる業務がRPAに向いているかどうかが分からないんですよね。
そのため、まずはいつもやってる業務や、なくなったらいいのにと思っている業務をピックアップしてもらいます。「これは自動化できそう」という業務を対象に一緒にロボ作成を進めていくと、だんだんお客様側でも自分で判断できるようになってくるんですよね。
最終的にはお客様がこれをRPAにした方がいいというのを自分たちで考えて実装していくという流れになるように、サービスを通じてサポートしています。トライアル期間中も通常の契約時と同様のサポートを提供することで、お客様が使いこなせるような環境を整えています。
—— 使うユーザー側がしっかりと何をしているか認識して使っている状態まで持っていくイメージですかね。
藤田 はい、RPAのソフトは導入するだけでは効果が出ません。例えば給与計算ソフトだと、機能やどういうふうに使うか、導入の仕方によってどのように効率化されるかも変わります。
導入することがゴールっていうケースもあるかと思うんですが、RPAでは、RPAそのものが何かをするんではなくて、『RPAで作ったロボットが業務を代替してくれることが業務効率化』っていうものなんです。そのため、導入だけではゴールにはならないという観点も重要なんじゃないかなと思っています。
—— そのためのトライアルでしょうか。
藤田 そうですね。ロボオペレータの1ヶ月トライアルではそのあたりを見ていただきたいなと思っています。どんなふうに使うかだけではなく、「これだったら自分たちでも使っていけそうか」「自分たちの業務をロボットにしていけそうか」など、どういうツールかどうかを判断してもらうための期間です。
トライアル期間中は、実際にお客様の業務を題材にロボットを作成していきますので、「普段の業務がロボットだとこうなるんだ。この業務もできるんだ。それならきっとこれとかこれも自動化対象になるんだろうな」とイメージをつけていただけます。
また、ご契約後に実施するサポートコンテンツもトライアル期間中に活用できますので、躓くことなくロボット作成を進めることが可能ですし、RPAを利用していくとロボット作成のことだけでなく運用方法や業務整理など様々なことで疑問が生まれてくると思いますので、それらも含めて広くサポートさせていただきます。
成功体験が導く自発的な業務改善
—— 実際にユーザーが導入前と導入後でどのような変化があったか、不安や懸念をどう解消したのか教えてください。
藤田 導入前はRPAについてわからない、難しそうというイメージを持っているお客様が多いです。先ほども言ったように、ロボオペレータの導入では、まず最初にトライアルを通じて、「これならできるかもしれない」という感覚を持ってもらうことが大切です。
その後、導入に至ると、「この業務も自動化できるかもしれない」と考え、次第に自発的に業務改善を進められるようになります。導入初期の段階で少しでも成功体験をしてもらうことが、不安を解消し、継続的な利用につながる鍵となっています。
—— 自走できるユーザーが増えているように感じますが、そのような事例が多いのでしょうか?
藤田 はい、非常に多いです。「業務改善をやってほしいという漠然とした指示が降ってきたけど、気づいたらロボオペレータを使っている」というお話を聞くことが多いです。
自発的に現場から改善していく動きができるようになったっていうのは、導入前と導入後での違いとしてよくあるお話かなとは思います。
最初のトライアルや導入時に一緒にRPA化する業務を見つけることで、「これならできる」という感覚をユーザーが持てるようになります。そこから、自分たちで次の業務を見つけてどんどん自動化を進めていくケースが多く見られます。
AI活用で進化する「誰でも使えるRPA」の未来図
—— 今後の方針や新機能の実装計画についてお聞きしたいです。
藤田 これまでと同様に、誰でも使えるという点をさらに強化していきたいと考えています。特に現場の方々がもっと簡単に使えるようにするための機能を追加し、業務の幅を広げることを目指しています。
また、AI技術を活用し、使い勝手を向上させる開発も進めています。たとえば、AIを利用した非定型文書の読み取りなども検討しており、これにより対象業務の範囲をさらに広げていく予定です。
企業のDX意識を育む、最初の一歩としてのRPA
—— ロボオペレータについて、今後どのように展開していきたいか、特にどのようなユーザーに利用してもらいたいと考えているのか、お伺いできますでしょうか。
藤田 RPAやAIは、あくまで技術の名称であって、それだけでは業務や働き方は変わりません。少しずつ業務上の課題を解決していくことの積み重ねやそういった意識に皆様が変化していくという積み重ねこそが、DXを実現していく方法だと考えています。
そのために、現場部門で日々はたらいている皆様が、より簡単に業務改善をできるようにロボオペレータは進化し続けますし、それに伴うサポート内容についても、引き続き磨き続けていきたいと考えています。

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