
米Metaが発表した最新のAIモデル「Llama 3.1(ラマ 3.1)」は、4050億のパラメータを持つ世界最大規模のオープンモデルとして注目を集めています。
無料で商用利用可能なこのモデルは、AI開発の新たな時代を切り開く可能性を秘めています。
AROUSAL Techの代表を務めている佐藤(@ai_satotaku)です。 Metaが7月24日に発表したLlama 3.1の誰でも分かりやすかったメリットは、無料で商用利用が可能な点ではないでしょうか。 生成AIに関する情報やサービスが発表される中、商用利用が可能というのはビジネスにおいて最も重要なポイントの一つですよね。 もちろん、オープンソースの定義や倫理・セキュリティの観点も忘れてはいけませんが…。 このように日々AIは進化し、様々なサービスが次々に作り出されていますが、制度や定義が間に合っていないのもまた事実です。 AIサービスの活用は積極的に行っていくべきですが、こういった倫理とセキュリティに関することは無視せずに専門家を頼ることが大事です。 感想をX(旧Twitter)でポストしていただけると嬉しいです。メンションも大歓迎です! |
Llama 3.1の概要と特徴

Metaが7月24日に発表したLlama 3.1は、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)の最新版です。
最大モデルは4050億(405B)のパラメータを持ち、NVIDIA(エヌビディア。アメリカの半導体メーカー。)の1万6000個以上のH100 GPUでトレーニングされました。
このモデルは、長文テキストの要約、多言語会話エージェント、コーディングアシスタント、さらには将来のAI言語モデルのトレーニングに使用する合成データの作成に有用とされています。
Llama 3.1の特筆すべき点は、その規模だけでなく、性能面でも他の有名なAIモデルを凌駐していることです。
Metaによれば、複数のベンチマークテストにおいて、OpenAIのGPT-4o(ジーピーティーフォーオムニ)やAnthropic(アンソロピック)のClaude 3.5 Sonnet(クロード 3.5 ソネット)よりも優れた結果を示しているとのことです。
これは、オープンモデルがプロプライエタリな(特定の企業や組織によって開発され、その所有権が保持されている)モデルと肩を並べ、あるいは凌駐する可能性を示唆しています。
また、Llama 3.1は15兆トークンを超えるデータでトレーニングされたとされていますが、そのデータの出所については明示されていません。
この点は、AIモデルの透明性や倫理的な側面から見ると、今後議論の余地がある部分かもしれません。
主要クラウドサービスでの利用可能性
Llama 3.1の大きな特徴の一つは、その広範な利用可能性です。
このモデルは、次のようなほぼすべての主要クラウドサービスで利用可能となります。
- AWS
- Databricks
- Google Cloud
- Hugging Face
- Kaggle
- IBM WatsonX
- Microsoft Azure
- NVIDIA NIM
- Snowflake など
これにより、開発者やAI研究者は、自身が慣れ親しんだ環境でLlama 3.1を容易に利用することができます。
この広範な利用可能性は、AIの民主化を促進する可能性があります。
従来、高性能なAIモデルの利用は、大企業や研究機関に限られがちでしたが、Llama 3.1の登場により、より多くの個人や中小企業がハイエンドのAI技術にアクセスできるようになります。
これは、イノベーションの加速や、AIを活用した新しいサービスやソリューションの創出につながる可能性があります。
さらに、Metaによれば、Llama 3.1をAWSなどの環境で実行するためのコストは、GPT-4oの約半分で済むとのことです。
これは、AIの実用化や大規模な導入を検討している企業にとって、大きな魅力となるでしょう。
コスト効率の高いAIモデルの登場は、AIの普及をさらに加速させる要因となりそうです。
Llama 3.1の商用利用と「オープンソース」の定義
Llama 3.1の大きな特徴の一つは、無料で商用利用が可能な点です。
これは、多くの企業や開発者にとって魅力的な要素となるでしょう。
商用利用が可能であることで、Llama 3.1を基盤とした新しいビジネスモデルやサービスの創出が期待されます。
しかし、ここで注意が必要なのは、Metaが使用している「オープンソース」という言葉の定義です。
マーク・ザッカーバーグCEOはLlama 3.1を「オープンソース」と表現していますが、これはOpen Source Initiative(オープンソース・イニシアティブ。オープンソースソフトウェアの普及と促進を目的とした非営利団体)が定義する「オープンソース」とは異なります。
Llama 3.1はMetaのWebサイトやHugging Face(ハギングフェイス。機械学習 アプリケーションを作成するためのツールを開発しているアメリカの企業及びサービス名。)からダウンロードできますが、ダウンロードに際しては個人情報の提供と、ライセンスおよび利用規定への同意が必要となります。
この点は、真の意味でのオープンソースを期待していた開発者やAI研究者にとっては、若干の懸念材料となるかもしれません。
オープンソースの定義や、AIモデルの公開方法については、今後も業界内で議論が続くことが予想されます。
一方で、Metaがこのような形でLlama 3.1を公開したことは、AIの発展と普及を促進する上で大きな一歩と言えるでしょう。
完全なオープンソースではないものの、多くの人々がアクセス可能な形で高性能なAIモデルを提供することで、AIの民主化に向けた動きが加速することが期待されます。
Llama 3.1の応用と将来性
Llama 3.1の登場は、AIの応用範囲を大きく広げる可能性を秘めています。
このモデルは、長文テキストの要約、多言語会話エージェント、コーディングアシスタントなど、多岐にわたる用途に適しているとされています。
これらの機能は、ビジネス、教育、研究など、様々な分野で活用できるでしょう。
AIの発展が自己強化的なサイクルに入る可能性
特に注目すべきは、Llama 3.1が将来のAI言語モデルのトレーニングに使用する合成データの作成にも有用だとされている点です。
これは、AIの発展が自己強化的なサイクルに入る可能性を示唆しています。
Llama 3.1を使って生成されたデータが、次世代のAIモデルの学習に使用され、さらに高度なAIが生まれるという好循環が期待できます。
「Meta AI」もLlama 3.1ベースになる
また、MetaのAIアシスタント「Meta AI」もLlama 3.1ベースになるとのことです。
これにより、Meta AIのサポート言語が22カ国語に増え、人物写真から画像を生成する機能などが追加されます。
このような具体的な応用例は、Llama 3.1の実用性と将来性を示すものと言えるでしょう。
他のAIモデルを改善できる
さらに、Llama 3.1の出力を使用して他のAIモデルを改善できるという点も重要です。
これは、AIの発展がより協調的で開かれたものになる可能性を示唆しています。
異なるAIモデル間での相互作用や学習が進めば、AIの進化はさらに加速する可能性があります。
AIの未来とオープンモデルの役割
マーク・ザッカーバーグCEOは、Llama 3.1のようなオープンモデルがAIの未来を形作ると考えています。
イノベーションが加速
彼は、オープンソースのLinux(リナックス)が現在、スマートフォンやサーバのベースOSになったのと同様に、オープンソースのAIモデルはプロプライエタリモデルを抜いて進歩していくと予測しています。
この見方は、AIの発展における「オープン」の重要性を強調するものです。
確かに、多くの目と頭脳が協力して開発を進めることで、イノベーションが加速する可能性は高いでしょう。
AIの透明性や説明可能性の向上
また、オープンモデルの普及は、AIの透明性や説明可能性の向上にも寄与する可能性があります。
ザッカーバーグCEOは「Llama 3.1のリリースは、ほとんどの開発者がオープンソースを使い始める業界の転回点になるだろう」と述べています。
この予測が的中するかどうかは時間が経てば明らかになりますが、少なくともLlama 3.1の登場が、AI業界に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
AIの民主化を促進
オープンモデルの普及は、AIの民主化を促進し、より多くの人々がAI開発に参加する機会を提供します。
これにより、AIの応用範囲が広がり、新たな革新的なソリューションが生まれる可能性が高まります。
一方で、AIの倫理的な使用や、データのプライバシー保護など、新たな課題も浮上してくるでしょう。
まとめ
Metaが発表したLlama 3.1は、その規模、性能、利用可能性において、AIの世界に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。
無料で商用利用可能なこのモデルは、AIの民主化を促進し、イノベーションを加速させる可能性があります。
一方で、「オープンソース」の定義や、AIの倫理的な使用に関する議論も喚起しそうです。
Llama 3.1の登場は、AI業界の転換点となる可能性があり、今後の展開が注目されます。
引用元
ITmedia NEWS「Meta、無料で商用可の「Llama 3.1」リリース 「世界最大かつ最も高性能なオープンモデル」」