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Notion 3.0発表、AIエージェントで複雑タスクを自動化

Notion 3.0発表、AIエージェントで複雑タスクを自動化
2025年09月25日 03:572025年09月22日 09:44
人事 / 財務・会計 / 総務・事務
レベル★
AIツール活用事例
AIエージェント
人材育成
業務プロセス改善
IT利活用
この記事でわかること
  • Notion 3.0で登場した「AIエージェント」の具体的な機能
  • 従来のAIアシスタントやRPAとの決定的な違い
  • AIエージェントを業務で活用するためのポイントと注意点
この記事の対象者
  • 企業のDX推進や業務改善を担う担当者
  • 繰り返し作業を減らし、生産性を高めたい全ビジネスパーソン
  • 最新AI技術の活用事例に関心のある経営層や管理職
効率化できる業務
  • 複数SaaSを横断するデータ集計とレポート作成(事例では月20時間以上の工数削減)
  • 採用候補者の情報管理から面接日程調整までの採用関連業務
  • 社内ヘルプデスクへの一次問い合わせ対応とチケット起票の自動化

 

「あー、またこの作業か…」。

毎週月曜の朝、あなたは複数のツールからデータをかき集め、レポートを作成し、関係部署にSlackで共有する、という繰り返し作業にうんざりしていませんか?あるいは、採用候補者の情報をスプレッドシートにまとめ、面接官のカレンダーと睨めっこしながら日程調整メールを送る、そんな非創造的な仕事に時間を奪われていませんか?

もし、そんなあなたの隣に、「先週のデータ、まとめてレポートにしておきました。Slackで関係者にも共有済みです。あと、A社の候補者、面接調整も完了してますよ」と、涼しい顔で報告してくれる「同僚」がいたら…?

2025年9月、そんなSFのような未来を一気に現実のものにする、とんでもないニュースが飛び込んできました。そう、あのNotionが、初の「AIエージェント」機能を発表したのです。

これは単なる「AIアシスタント」の進化版ではありません。私たちの働き方を、チームのあり方を、そして企業の競争力そのものを根底から覆す可能性を秘めた、まさに「事件」です。

この記事では、Notion 3.0の目玉である「AIエージェント」が一体何者で、私たちの仕事にどんな衝撃をもたらすのか。そして、この新しい”同僚”と上手く付き合っていくために、私たち人間には何が求められるのかを、どこよりも熱く、そして分かりやすく解き明かしていきます。

Notion AIエージェントがもたらす衝撃:何がどう変わるのか?

 

ついに発表された「Notion 3.0」の目玉機能

今回発表されたAIエージェント機能は、「Notion 3.0」と銘打たれた大型アップデートの中核をなすものです。これまでもNotionには、文章の要約や翻訳、アイデア出しを手伝ってくれる「Notion AI」が搭載されていました。しかし、今回のAIエージェントは、その次元を遥かに超えています。

一言で言うなら、「自律的に、複数のステップにまたがる複雑なタスクを実行する能力」を手に入れたのです。

例えば、あなたが「先週の営業データに基づいて、トップ5の製品に関する週次レポートを作成し、Googleスライドにまとめて。完成したら営業部のSlackチャンネルに投稿して」と、まるで人間に頼むかのように自然言語で指示したとします。

これまでのAIアシスタントであれば、「週次レポートのテンプレートを作成しますか?」と尋ねてくるのが関の山でした。しかし、Notion AIエージェントは違います。

  1. Notion内の営業データベースにアクセスし、該当データを抽出する。
  2. データを分析し、トップ5の製品を特定する。
  3. 指定されたフォーマットでレポートを作成する。
  4. Google Driveと連携し、新しいスライドを生成してレポート内容をまとめる。
  5. 完成したスライドのリンクを取得し、Slackと連携して営業部チャンネルに投稿する。

これら一連の作業を、人間の追加指示なしに、自律的にやってのけるのです。まさに、指示を一度出せば、あとは良きに計らってくれる賢い同僚そのものと言えるでしょう。

あなたの隣に「AIの同僚」がいる未来

これが意味するのは、私たちの仕事における「作業」の概念が大きく変わるということです。

  • 繰り返し作業からの解放:週次レポート、月次報告、データの転記、日程調整…。これまで私たちの貴重な時間を奪ってきた定型業務の多くを、AIエージェントに任せられるようになります。
  • ツール間の壁の崩壊:「Notionで下書きして、Googleスプレッドシートでデータ整形して、Jiraに起票して、Slackで報告…」といった、ツールをまたぐ手作業連携が不要になります。連携ミスや手間の削減効果は計り知れません。
  • 業務自動化の民主化:これまでRPA(Robotic Process Automation)や専門的なツールでしか実現できなかった高度な自動化が、プログラミング知識のない現場の担当者でも、自然言語で指示するだけで構築可能になります。

これにより、私たちは退屈な「作業」から解放され、より創造的で、人間にしかできない「仕事」— 新しい企画の立案、顧客との深い対話、複雑な意思決定 — に集中できるようになるのです。これは、まさに働き方の革命と言っても過言ではないでしょう。

では、この革命の主役である「AIエージェント」とは、一体何者なのでしょうか?次の章で、その正体に迫ります。

そもそも「AIエージェント」って何者?RPAやAIアシスタントとの決定的違い

「AIエージェント」と聞いても、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。「RPAとか、今までのAIアシスタントと何が違うの?」と感じるのも無理はありません。しかし、両者の間には決定的で、かつ巨大な違いが存在します。

自律的に考え、行動するAI

これまでのツールを、簡単な表で比較してみましょう。

 RPA (Robotic Process Automation)AIアシスタント (例: 従来のNotion AI)AIエージェント (例: 新Notion AI)
役割手足相談相手同僚・部下
得意なこと決められたルールの完璧な反復対話、要約、翻訳、アイデア出し目標達成のための自律的な計画・実行
指示の仕方厳密なルールの事前設定が必要1つの質問や命令に都度応答曖昧なゴールを伝えればOK
柔軟性低い(ルールから外れると停止)中くらい(対話の文脈は理解)高い(予期せぬ事態にもある程度対応)
具体例請求書データをシステムAからBに転記する「この記事を要約して」「競合の新製品情報を集めて、比較レポートを作って」

RPAは、決められた脚本通りに動く優秀なロボットアームです。指示は完璧にこなしますが、脚本にないことは一切できません。

AIアシスタントは、物知りな相談相手です。質問すれば何でも答えてくれますが、そこから先の行動は人間が起こす必要がありました。

それに対してAIエージェントは、「目標」を伝えるだけで、達成までの道のり(タスク)を自ら考え、分解し、実行してくれる「自律的な存在」なのです。つまり、手足でも相談相手でもなく、あなたのチームの一員として動いてくれる「同僚」や「部下」に近い存在と言えます。

なぜ今、Notionはエージェントを投入したのか

このタイミングでNotionがAIエージェントを投入した背景には、二つの大きな流れがあります。

一つは、生成AI技術の飛躍的な進化です。大規模言語モデル(LLM)が、単に言葉を操るだけでなく、論理的な推論や計画立案能力を持ち始めたことで、AIエージェントの実現が一気に現実味を帯びてきました。

もう一つは、深刻化する人手不足と生産性向上への強い要請です。様々な調査で、多くのビジネスパーソンが「雑務」に多くの時間を費やしていることが指摘されています。例えば、ある調査では、労働時間の約3分の1が本来の業務ではない、情報検索やデータ入力といった作業に費やされているという結果も出ています。このような状況を打破し、企業の競争力を高めるための切り札として、AIによる業務自動化への期待はかつてないほど高まっているのです。

Notionは、単なる情報共有ツールから、企業のあらゆる仕事が集約される「ワークスペース」へと進化を遂げてきました。そのNotionが、自社のプラットフォーム上で自律的に動き回るAIエージェントを解き放つ。これは、仕事のやり方を根本から変えようとする、Notionの壮大な戦略の一環なのです。

では、このパワフルな「AIの同僚」を、私たちはどうすれば上手く使いこなせるのでしょうか?次の章では、具体的な活用イメージと、導入で失敗しないためのポイントを見ていきましょう。

【使いこなせる?】Notion AIエージェントの具体的な活用イメージと注意点

「すごいのは分かったけど、実際に自分の仕事でどう使えるの?」 ここからは、より具体的に、あなたの部署でNotion AIエージェントがどのように活躍しうるのか、そして導入でつまずかないための秘訣を探っていきましょう。

部門別・具体的なユースケースシナリオ

【DX推進部】SaaSの海から解放される!

  • Before:毎週、Salesforceの営業実績、Google Analyticsのサイトアクセス、Marketoのリード獲得数…と、複数のSaaSにログインしてはデータをエクスポート。それらをスプレッドシートに貼り付け、グラフを作成し、ようやく週次レポートが完成。半日仕事だった。
  • After:Notion AIエージェントに「毎週金曜17時に、Salesforce, GA, Marketoから先週の主要KPIを取得し、定型レポートを作成して。関係者にはNotion上でメンション通知して」と一度だけ指示。あとは毎週自動でレポートが生成され、自分はレポートから得られる「示唆」の考察に集中できるようになった。
     

【人事部】採用業務のボトルネックを解消!

  • Before:複数の求人媒体からの応募者情報を、手作業でNotionの採用管理データベースに転記。書類選考を通過した候補者には、面接官の空き時間をOutlookで確認し、候補日を複数記載したメールを一件ずつ送信。日程が確定したら、再度カレンダーに登録…。
  • After:「新しい応募があったら、自動で採用管理DBに追加して。書類選考通過ステータスになったら、担当面接官3名の空き時間をGoogleカレンダーから参照し、候補日を3つ提案するメールを下書きして」と指示。自分は下書きを確認・送信するだけでよくなり、候補者とのコミュニケーションの質を高めることに時間を使えるようになった。
     

【情シス部】問い合わせ対応をスマートに!

  • Before:社員からSlackで寄せられる「Wi-Fiに繋がらない」「PCの動作が遅い」といった定型的な問い合わせに、一件ずつ過去のFAQ(Notionに蓄積)を探しては回答。同じ質問に何度も答えることも多かった。
  • After:「Slackのヘルプデスクチャンネルに来た問い合わせ内容を解釈し、NotionのFAQデータベースを検索して関連性の高い回答を自動返信して。解決しない場合はJiraにチケットを起票し、担当者にアサインして」と指示。一次対応が自動化され、本当に専門的な対応が必要な問題に集中できるようになった。

導入で失敗しないための3つのポイントとNG例

この魔法のようなツールも、使い方を間違えれば宝の持ち腐れどころか、混乱を招く原因にもなりかねません。成功と失敗の分かれ道となるポイントを押さえておきましょう。

  • ポイント①:スモールスタートで育てる いきなり会社の基幹業務を任せるのは無謀です。まずは「自分の議事録を要約してタスクリストを作る」といった個人的なタスクや、「チームの定例レポート作成」など、影響範囲の小さい業務から試しましょう。AIエージェントも赤ん坊と同じ。簡単な仕事から任せ、フィードバックを与えながら「育てる」感覚が重要です。
    • NG例:初日から「全社の売上予測を立てて、経営戦略を提案しろ」といった、曖昧で複雑すぎる指示を丸投げする。
       
  • ポイント②:具体的かつ明確な指示を出す AIは文脈を読み取りますが、エスパーではありません。「いい感じにやっといて」では動けません。「(どのデータベース)の(どの情報)を使って、(どんな形式)で(何を作成)し、(誰に)共有する」というように、5W1Hを意識した具体的な指示が、AIのパフォーマンスを最大化します。
    • NG例:「採用、なんか上手く自動化しといて」と、目的も手段も曖昧な指示を出す。
       
  • ポイント③:任せきりにせず、人間が最終確認する AIエージェントはあくまで「ツール」であり、「同僚」です。最終的な責任は指示した人間にあります。特に、顧客へのメール送信や、重要なデータの更新といったクリティカルなタスクは、必ずAIが生成した下書きや実行計画を人間がレビューするフローを組み込みましょう。
    • NG例:セキュリティポリシーを確認せずに、AIエージェントに機密情報や個人情報へのアクセス権を与えてしまう。レビュープロセスなしに、顧客向けの通知を全自動で送信させる設定にする。

さあ、ここまで読んでみて、期待と同時に少しの不安も感じているかもしれませんね。「果たして、こんな賢いヤツを、自分は本当に使いこなせるのだろうか…?」と。 では、この『AIの同僚』を上手く活用している企業と、そうでない企業では一体何が違うのでしょうか?次の章で、その本質に迫ってみましょう。

【体験談】AIエージェントは魔法の杖か、それとも諸刃の剣か

ここでは、架空の2つの部署の物語を通して、AIエージェント導入の成功と失敗がどこで分かれるのか、リアルな視点で探っていきます。

成功と失敗の分かれ道:架空事例で学ぶ

【成功事例:株式会社みらい企画 DX推進部の場合】

DX推進部のリーダーAさんは、Notion AIエージェントの導入にあたり、まずチームメンバーにこう問いかけました。「みんなが一番『もうやりたくない!』って思ってる、退屈な作業って何だろう?」。 チームからは「SaaSからのデータ集計」「週次報告のコピペ作業」といった声が上がりました。Aさんは、その中で最も単純で、かつ全員が苦痛に感じていた「各ツールからのKPIデータ集約」を最初のターゲットに設定しました。

彼らはAIエージェントに完璧を求めませんでした。最初の指示は「毎週月曜の朝9時に、Notion上のこのデータベースに、GAとSalesforceの先週のデータを転記して」というシンプルなもの。最初はエラーも出ましたが、その都度「この項目は不要だよ」「こっちの数値を参照して」とフィードバックを与え、少しずつ精度を高めていきました。 3ヶ月後、AIエージェントはレポート作成から関係者への共有までを完璧にこなす、頼れるチームの一員に成長。削減できた時間は、月20時間以上。チームは空いた時間で新しいDX施策の企画に乗り出し、大きな成果を上げました。
 

【失敗事例:株式会社これから人事 人事部の場合】

人事部のBさんは、AIエージェントの能力に大きな期待を寄せていました。「これで採用業務が劇的に効率化できるはずだ!」。Bさんは意気込み、いきなり「採用候補者を自動で評価し、S・A・B・Cランクに分類する」という高度なタスクをAIエージェントに指示しました。

しかし、評価基準として伝えたのは「学歴や職歴を総合的に判断して」という曖昧なもの。結果、AIエージェントは、特定の大学出身者ばかりをSランクにしたり、素晴らしい実務経験を持つ候補者を経歴のキーワードが少ないという理由でCランクに分類したりと、偏った評価を連発。 現場は「AIの評価は信用できない!」と大混乱。BさんはAIエージェントの利用を停止せざるを得なくなり、「AIはまだ使えない」という結論に至ってしまいました。

人間にしかできない仕事とは何か?

この二つの物語が教えてくれるのは、AIエージェントは「何をすべきか(What)」を考えるのは苦手で、「どうやるか(How)」を最適化するのが得意だということです。

成功したAさんのチームは、「何を解決したいか(退屈な作業をなくしたい)」という目的を人間が明確に定義し、その手段としてAIを使いました。一方、失敗したBさんは、人間にしかできないはずの「評価・判断」という本質的な部分までAIに丸投げしてしまいました。

この新しい時代、私たち人間に求められるのは、プログラミングのスキルではありません。それは、 「解くべき課題は何か」を見つけ出す力。 「AIに何を、どう指示すればゴールに辿り着けるか」を設計する力。 そして、「AIが出した結果を鵜呑みにせず、最終的な判断を下す力」です。

Notion AIエージェントは、私たちから仕事を奪う存在ではありません。むしろ、私たちを「作業者」から、真の「指揮者」「戦略家」へと引き上げてくれる、最高のパートナーになり得るのです。

まとめ:AIエージェント時代を生き抜くために、私たちが今すべきこと

さて、Notion 3.0とAIエージェントが拓く未来、いかがでしたでしょうか。この記事の冒頭で問いかけた「AIの同僚」は、もはや夢物語ではなく、すぐそこまで来ている現実です。

最後に、今日の話を3行でまとめてみましょう。

  • Notion 3.0で登場したAIエージェントは、複数ツールを横断する複雑なタスクを自動化する。
  • これは単なる効率化ツールではなく、働き方を根本から変える「AIの同僚」となりうる。
  • 上手く活用するには、人間にしかできない「的確な指示出し」と「最終判断」のスキルが重要になる。

AIエージェントの登場は、私たちに問いかけています。「あなたが本当にすべき仕事は何ですか?」と。

この変化の波を、単なる「脅威」と捉えるか、それとも自らをアップデートする「最高の機会」と捉えるか。その選択が、これからのあなたと、あなたの会社の未来を大きく左右するはずです。

さあ、まずは第一歩として、あなたのチームで「一番なくしたい退屈な作業」を一つ、見つけることから始めてみませんか?

引用元

ITmedia「Notion、初のAIエージェントを発表 「Notion 3.0」でマルチステップのタスクを自動化」 

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