
日立製作所が2023年5月に設立した「Generative AI(ジェネレーティブAI)センター」を中心に、生成AI技術を活用した業務効率化と生産性向上の取り組みが加速しています。
本記事では、同センター長の吉田順氏の講演内容をもとに、日立グループにおける生成AI活用の最前線と、企業が生成AIを効果的に導入するためのヒントを紹介します。
AROUSAL Techの代表を務めている佐藤(@ai_satotaku)です。 今回記事にまとめた内容は全くその通りだと共感しつつ、やはりしっかり取り組んでいるとこは取り組んでいるな、と感じました。 ガイドラインを作成すること、そして自分たちのどの業務に対して生成AIを活用していくかを具体的にイメージすることはとても重要だと改めて思っています。 「確信度」というような、目的に合わせて評価基準を設けることも大切です。 もちろん私が実施する生成AI研修でも触れますが、生成AIリスキリングをする際は、しっかりを上記のような内容を決定することを推奨しています。 感想をX(旧Twitter)でポストしていただけると嬉しいです。メンションも大歓迎です! |
日立製作所の生成AI活用ガイドライン整備

日立製作所は、生成AIの幅広い活用可能性に伴うリスクに対応するため、従業員向けのガイドラインを整備しました。
このガイドラインでは、生成AIの用途ごとの利用範囲、申請手順、規則、注意点などが詳細に定められています。
生成AIの4つの代表的ユースケース
日立製作所 Generative AIセンター、センター長 兼 Chief AI Transformation Officerを務める吉田順氏は、生成AIの代表的なユースケースとして以下の4つを挙げています。
- 文書(テキスト)の生成
- 質疑応答やロールプレイング
- 文書の分類、整理
- 文書のチェック、判定
これらのユースケースは、次のような幅広い業務領域で活用可能です。
- 議事録作成
- コールセンター業務
- データベース検索
- 契約書レビュー
フロントラインワーカーの生産性向上事例
日立グループでは、生成AIを活用してフロントラインワーカーの生産性向上に取り組んでいます。
具体的な事例は、次のとおりです。
- 営業力強化:顧客リサーチや報告書作成の工数を9割以上削減
- コールセンター業務:オペレーターの業務を2割前後削減
- ソフトウェア開発:2027年までに生産性を3割向上させることを目標
生成AI活用における注意点と対策
生成AIの活用には、誤った情報を事実のように回答するリスク(ハルシネーション)があります。
日立では、「確信度」という指標を用いて、AIの回答の信頼性を評価し、低スコアの回答を出さないようにしています。
企業での生成AI活用を成功させるポイント
企業で生成AIを効果的に活用するためのポイントとして、以下が挙げられています。
- 経営トップによる明確な目標設定と発信
- 業務プロセスやシステムへの組み込み
- 使いやすさを重視した継続的な改善
- 社内用語への対応
- 社内外への情報発信と活用事例の共有
まとめ
日立製作所の事例は、生成AIが企業の生産性向上と業務効率化に大きな可能性を秘めていることを示しています。
同時に、適切なガイドラインの整備や、ユーザビリティの向上、リスク対策など、慎重かつ戦略的なアプローチの重要性も浮き彫りになりました。
引用元
ITmedia ビジネスオンライン「生成AIの活用でフロントラインワーカーの生産性を向上! 日立製作所の取り組みに迫る」