
動画コンテンツの需要が急増する中、誰でも簡単に編集できるツールとして注目を集める「Vrew」。
本インタビューでは、Vrewの開発背景や競合との差別化、実際の導入企業の声、作業効率化やコスト削減の効果、さらにはセキュリティや著作権への配慮まで、Vrewを開発するVoyagerXの金 兪那(キム ユナ)さんと張 駿源(ジャン ジュノン)さんに詳しく伺いました。
動画編集のハードルを下げ、より多くの人が発信できる未来を目指すVrewの魅力に迫ります。
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Vrewとは? ―競合との差別化ポイント
—— 御社のツールを一言で表すと、どんなツールになりますか?
「誰もができる簡単な動画編集セットアップ」という表現が適切かと思います。Vrewは、動画編集の知識がない方でも直感的に操作できるよう設計されています。
—— 競合と比べての優位性について教えてください。
まず、Vrewの最大の特徴は「初心者でも学習なしで使える直感的なインターフェース」です。一般的な動画編集ソフトは、タイムライン操作が必要で、習得に時間がかかるものが多いですが、Vrewはそうした学習コストを抑え、誰でもすぐに使えるようにしています。
また、カスタマーサポートの手厚さも大きな強みです。特に日本市場向けには、日本語専門のサポートを用意しており、ユーザーがツールの使用方法に迷った際に、随時サポートを受けられる体制を整えています。
さらに、Vrewは「テキストベースの編集」が可能です。通常の動画編集ソフトでは、タイムライン上で映像を繰り返し再生しながら編集箇所を探す必要がありますが、Vrewではテキストとして表示された内容を直接編集できます。不要な部分を簡単に削除したり、キーワード検索で該当箇所をすぐに見つけることができるため、作業効率が格段に向上します。
幅広い業種で活躍するVrew ―マーケティングから教育・製造業まで
—— 実際に使われている方は、どういう部署の方が多いですか?
Vrewの利用者は非常に幅広い業種・職種にわたっています。一般的に多いのは、マーケティングや広報、クリエイティブチームの方々です。動画コンテンツを作成してSNSや広告に活用する際、手軽に編集できるツールとして重宝されています。
また、意外なところでは、製造業の企業でも活用されています。例えば、機械全般の操作マニュアルを作成するためにVrewを利用するケースがあります。
—— それ以外に、どのような業界で利用されていますか?
大学や教育機関でも活用されています。特に、耳が不自由な学生のために字幕付きの授業動画を提供する際にVrewが使われています。従来、字幕作成には大きな労力が必要でした。Vrewは字幕がつけやすく、カット編集なども同時にできるので、より効率的に字幕付きの教育コンテンツを作成できるようになりました。
さらに、人事部門でもVrewが活躍しています。研修動画や社内教育用のコンテンツを作成する際、紙のマニュアルでは伝わりにくい内容を動画にすることで、より分かりやすく伝えることができます。特に、集中力が続きにくい内容を動画化することで、研修の効果を高めることができます。
—— そのほか、Vrewの活用事例として面白いものはありますか?
観光・宿泊業界でも導入が進んでいます。例えば、ホテルやレストランでは、料理や宿泊施設の紹介動画を簡単に作成できるため、広報・PR用のコンテンツ制作に活用されています。外国人観光客などのために翻訳付きの宣伝コンテンツを作る際にも、Vrewの簡単な編集機能が役立っています。
導入企業のリアルな声 ―Vrewがもたらす変化と影響
—— 導入されてよかったというお客様の声にはどんなものがありますか?
最近は人々の情報消費の形態変化にともない、以前は文字ベースのブログやコラムで集客していた顧客を、動画コンテンツを利用することで、集客領域を拡げられるようになりました。
最近の導入事例として、法律事務所での活用があります。そこでは、特にチーム内のコミュニケーションの変化が大きかったと報告されています。Vrewを導入することで、部署内外のコミュニケーションが活発になり、動画を通じた情報共有の重要性がより意識されるようになったそうです。
また、動画を活用することで、成果や分析に対する関心が高まったという声もありました。これまでテキストベースの情報発信が中心だった企業でも、動画を活用することで新たな表現の可能性を見出し、マーケティングや社内広報の幅が広がったと評価されています。
—— Vrewの導入によって生まれた新しい効果にはどんなものがありますか?
Vrewの導入によって、動画を活用した新しいアイデアや企画が次々と生まれるようになったという声が多いです。特に、動画編集のハードルが下がったことで、これまで動画制作に関わっていなかったチームでも自主的に動画コンテンツを作成するようになりました。
また、チーム間の協業が増えたという意見もあります。「あの部署が動画を活用しているなら、うちでもやってみよう」といった動きが生まれ、企業内で動画を活用する文化が徐々に広がっているようです。
作業効率とコスト削減 ―Vrewがもたらす時間短縮の効果
—— 実際に使われている方の作業時間削減など、数値的な成果はありますか?
現在のところ、Vrewの導入による作業時間削減についての詳細な数値データはまだ十分に収集されていません。ただし、実際の使用感として「5分程度の動画であれば15分以内に作成できる」という声があります。
通常、動画編集には1時間以上かかることもあるため、大幅な時間短縮が期待できると考えています。
—— Vrewの導入でコスト削減につながった事例はありますか?
これまでは、企業が動画を制作する際に専用の動画編集チームを雇うことが一般的でした。しかし、Vrewを導入することで、社内の他の部署でも簡単に動画編集ができるようになり、専門の編集チームを雇うコストを削減できる可能性があります。
今後は、より具体的な事例を増やし、Vrewがどれだけのコスト削減や業務効率化に貢献できるのかを明確に示していきたいと考えています。
安心して使えるVrew ―セキュリティと著作権への配慮
—— 企業が導入を検討する際、セキュリティや著作権面を気にされる方も多いですが、対策はどうされていますか?
著作権に関しては、Vrewが提供する無料の画像や音楽、BGM、効果音はすべてフリー素材であり、ライセンスの確認を取った上で提供しています。そのため、商用利用でも問題なく使用できるようになっています。
また、Vrewで提供している画像の一部は自社で生成しているものもあり、著作権の心配をせずに安心して使っていただける仕組みを整えています。
さらに、BGMや効果音に関しては、韓国のMewpot(https://www.mewpot.com/)と契約を結び、正式にライセンスを取得した素材のみを提供しています。そのため、ユーザーは著作権に関する心配をすることなく、自由に編集・活用できるようになっています。
—— AIに学習されることで会社情報が漏れる懸念がありますが、その対策は?
AIによるデータ学習についても、企業が懸念を持つポイントの一つですが、Vrewではその点にも配慮しています。
音声認識などの機能には外部のAIエンジンを使用していますが、ユーザーのデータを学習するプランと学習しないプランがあり、Vrewでは「学習しないプラン」を採用しています。このプランはコストが高いものの、ユーザーのデータがAIの学習に利用されることはなく、情報漏洩のリスクを排除しています。
また、Vrewでは入力されたテキストや画像データも収集せず、ユーザーのデータが外部に流出することがないように管理しています。さらに、必要に応じてセキュリティ認証を発行することも可能であり、企業の安心・安全な利用をサポートしています。
Vrew開発の背景 ―動画編集をもっと簡単に
—— そもそもVrewを開発することになった経緯を教えてください。
Vrewの開発のきっかけは、代表者が自身でYouTubeの運営をしていた経験にあります。
動画を作成する中で、編集作業が非常に難しく、膨大な時間と労力が必要であることを痛感しました。特に、字幕作成やカット編集などの作業は手間がかかり、多くの人にとって動画編集のハードルが高いことを実感したそうです。
そこで、「AIを活用して、より簡単に動画編集ができるツールを作れないか」と考えたことが、Vrew開発の出発点となりました。最初は単純に動画編集を効率化することが目的でしたが、ユーザーとの対話を重ねる中で、字幕作成の重要性が浮かび上がり、自動字幕生成機能が追加されました。
—— その後、どのようにVrewは進化していきましたか?
字幕機能の開発を進めるうちに、動画編集をもっと手軽にするために「テキストベースの編集」を導入するアイデアが生まれました。従来のタイムライン編集では、映像を何度も確認しながらカットする必要がありましたが、テキストとして表示されれば、不要な部分をすぐに見つけて削除できるようになります。
また、音声波形を見ながら編集するよりも、文字を読んで編集するほうが直感的であると考え、テキストベース編集の強化を進めました。この機能により、動画編集に慣れていない人でもスムーズに作業できるようになりました。また、テキストを入力するとAI画像とAI音声を生成できる機能で、より多くの人が動画制作に挑戦できる環境を整えることができました。
目指す未来 ―誰もが動画で伝えられる世界へ
—— 会社として大切にしている考え方や理念はありますか?
Vrewが最も大切にしているのは「ユーザーの視点」です。ツールを開発する際の理念として、「簡単に使えること」「便利であること」「時短で効率的に動画を作れること」を軸にしています。
まずはシンプルな操作性を確保し、誰でも使いやすいように設計し、その上で実用的な機能を提供することで、ユーザーにとって本当に価値のあるツールを目指しています。
—— 最終的に会社として目指すビジョンを教えてください。
現在、情報の消費方法は大きく変化しており、テキストから動画へと移行しています。
例えば、新入社員の研修や製品のマニュアルなど、従来はテキストベースだったものが、動画での情報伝達へとシフトしています。しかし、従来の動画編集ソフトはプロ向けのものが多く、一般の人が使いこなすにはハードルが高いのが現状です。
そこで、Vrewは「誰でも簡単に動画を作れる環境を提供すること」を目指しています。最小限の努力と時間で動画制作ができるようにし、動画編集が目的ではなく、伝えたいメッセージに集中できるようなツールを提供したいと考えています。
—— 将来的にはどのような社会を実現したいと考えていますか?
もう一つのビジョンとして、「誰もが自分の思いや情報を動画で発信できる世界を作ること」を掲げています。人間には「自分の考えを誰かに伝えたい」という本能的な欲求がありますが、それを叶える最も効果的な手段の一つが動画です。
Vrewは、そうした表現の自由を支援し、誰でも簡単に動画を作れる環境を整えることで、より多くの人が情報を発信しやすくなる社会を目指しています。
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