
会議の長時間化や情報共有の効率化が、多くの企業で大きな課題となっています。そこで登場したのが、AIを活用した会議記録・要約ツール「tl;dv」です。
少数精鋭のチームが、革新的な技術と独自のアイデアで、新しい働き方と組織の進化を支えるソリューションを展開しています。本インタビューでは、その背景や特徴、導入事例について深掘りしました。
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開発背景と創業者の思い - 少数精鋭で挑むtl;dvの誕生

—— tl;dvがどのような背景から生まれたのか教えてください。
このツールは、私たちの少数精鋭のチームで挑戦的な新しいアイデアとして誕生しました。創業者のラファエルは、これまでにAIを長年応用してきた経験があり、その経験を活かして、オンライン会議の時間を効率的に活用できるソリューションを作ろうと決めました。
彼は大手のグローバル企業で働きながら、多忙なスケジュールの中で、「会議の時間をもっと有益に使いたい」と強く感じていたのです。
—— この背景から、どんな課題を解決しようとしたのでしょうか?
大きな課題は、「長時間の会議の内容を効率良く理解・共有できない」という点です。多くの企業では会議の録画データが残されても、時間がかかるために内容を振り返ることが難しい状況になっていました。
また、会議に参加できないメンバーは内容を把握できず、情報の共有と透明性に課題があったのです。私たちはこれらの問題を解決し、「会議の内容をすぐに理解できる仕組み」を作るためにこのツールを開発しました。
—— 少数精鋭のチームだからこそできることは何ですか?
私たちは少人数だからこそ、意思決定をスピーディに行い、市場のニーズに素早く対応できるのが私たちの強みです。大企業にはない機動力を活かして、ユーザーフィードバックに基づく改善を迅速に行えるのは、少数精鋭の利点です。特に、AIやクラウド技術を活用し、従来の録画や議事録だけにとどまらない新しい価値を創出しています。
会議録画とAI要約の着想源 - 長時間会議を効率化するアイデア
—— どのような着想やアイデアからツールが生まれたのですか?
もともと、私たちはチャットやメッセージのやり取りの中で、「TL;DR(Too Long; Didn't Read)」というネットスラングがあり、これを、ビデオや会議の録画に応用できないかと考え、長い動画データを自動で文字起こしし、その中から最も重要な内容にすぐアクセスできる仕組みを開発したのです。
こうした発想は、会議の内容を効率的に理解し、時間を大幅に節約できる可能性に気づいたことがきっかけです。
—— そのアイデアを実現するためにどんな工夫をしましたか?
AIを活用した自動文字起こしと要約技術に注力し、会議の要点だけを自動抽出できるモデルを構築しました。さらに、オンライン会議サービスごとに分散してしまうオンライン会議の録画をtl;dvに一元化することで、誰でもすぐに必要な情報にアクセスできるシステムを目指しました。これにより、長時間の会議をわざわざ全部見る必要なく、重要なポイントのみを理解できる仕組みを実現しています。
—— このアイデアによって得られるメリットは何ですか?
最も大きなメリットは、会議の時間や労力を大幅に削減できることです。会議に参加できなかったメンバーも、要約された内容や重要ポイントだけを迅速に把握でき、次のアクションに素早く移ることが可能となります。
また、長時間の会議録画を見返す手間も省け、業務の効率化や意思決定のスピードアップに寄与しています。長期的には、こうした仕組みが企業全体の生産性向上に大きく貢献すると考えています。
tl;dvの差別化ポイント - 会議データの一元管理と横断分析

—— tl;dvはどのような点で他の会議記録ツールと差別化されているのですか?
私たちの最大の特徴は、「マルチミーティング・インサイト機能」です。
これは、「会議の録画データを一ヶ所に集約し、横断的に分析できる」機能です。従来のZoomやGoogle Meetのようなオンライン会議ツールには録画機能や議事録作成機能はありますが、これらは各サービス内だけにとどまりがちです。
tl;dvは複数のプラットフォームにまたがる複数の会議の録画データを、AIの力を活用して横断的に分析し、欲しいときに、欲しい情報やインサイトを瞬時に抽出することができます。
—— それによってどんなメリットがあるのですか?
この仕組みにより、これまで録画されていなかったことで埋もれてしまいがちだった良いアイディアを掘り起こしたり、忘れてしまいがちなアクションアイテムをリマインドしたり、複数の顧客との商談を対象に顧客の共通の課題を洗い出したりすることが容易になります。
会議ごとに分断されていた情報が 一つのリポジトリにまとま ることで、全社員や関係者がいつでも必要な情報にアクセスできるようになり、組織内の情報のサイロ化(連携が取れていない状態)を防ぎます。これにより、情報共有の効率性や透明性が格段に向上します。
—— 具体的にはどのような分析や活用が可能ですか?
よくある使い方のひとつが、「特定の人物が直近の定例会議でどんなアクションを取る必要があるか」をAIに抽出してもらうケースです。
例えば営業責任者の定例ミーティングを2〜3件まとめて指定して、「この人が今やるべきことを5つ出して」と入力するだけで、要点だけがパッと出てくるんです。
会議って、録って終わりになりがちですが、その後どう活かすかが本当の価値なんですよね。tl;dvはそこを“資産化”できる仕組みにしているのが特徴です。
実用事例と導入効果 - 経営層から営業までの悩み解決事例
—— 実際の導入事例について教えてください。
多くの企業でtl;dvを導入することで、会議の効率化や情報共有のスピードと質が向上しています。会議の内容を自動で要約し、重要な意思決定ポイントをすぐに必要なメンバー に共有できることで、次のアクションへ迅速に移行できるようになったのです。
—— その結果、どのような効果が生まれましたか?
導入企業様からは会議内容の要約や共有が自動化されたことで、「他部門の取り組みから新しい気づきを得ることができるようになった 」「営業の時間の使い方が変わった」といった声が寄せられています。
tl;dvでは、商談をMicrosoft Teams、ZoomやGoogle Meetというオンライン会議サービスで実施して、その録画を要約し、HubSpotやSalesforceなどのSFA のコンタクトや商談の活動履歴に自動で要約が入力される仕組みを備え ています。
結果、営業担当が商談中に議事録を取る手間も、商談後に手作業で議事録を を清書する 手間も必要がなくなるため、余った時間をより多くの商談に割くことができ、1日に対応できる商談数が増えます。
タイムリーに商談の活動履歴が更新されることで、管理するマネージャーの 側でも、商談の進捗状況を掴みやすくなり、商談記録のタイムスタンプから発言箇所をすぐ再生できるため、フォローしやすくなり、チーム全体のフォーキャスト精度向上にも繋がります 。
ツール連携の強みと自動化機能 - CRMやチャットツールとの連携事例

—— tl;dvは他のツールとどのように連携しているのですか?
私たちの最大の強みは、主要なビジネスツールとシームレスに連携できる点です。
例えば、SlackやMicrosoft Teams、Notionといったコラボレーション ツール、SalesforceやHubSpotといった 営業支援ツール(SFA)、Asana、Jira、Trelloといったタスク管理ツール と連携させることで、会議の録画データ、文字起こし全文、要約データを業務ワークフローに直接組み込んでいただくことができます。
—— 連携の具体的なメリットは何ですか?
一番のメリットは、面倒な手動作業を削減できることです。
例えば、ZoomやGoogle Meetで開催した会議が終了すると、録画と音声データが自動でtl;dvに取り込まれ、文字起こしや要約が即座に生成されます。さらに、その情報をSlackの特定チャンネルに自動送信したり、CRMで商談情報と結びつけたりできるため、業務の流れがスムーズになります。
—— こうした連携と自動化の効果は何ですか?
結果として、会議という行為から始まるアイディアの発散から収束、そしてその内容を必要なメンバーに迅速に共有するという一連の業務のループを、会社全体で高速に繰り返すことが可能になります。その結果業務の効率は高まり、迅速な意思決定が可能になります。
未来ビジョンと企業文化 - 会議を資産に変える次世代の働き方
—— 今後の展望や目指す方向性について教えてください。
私たちが目指しているのは、会議を「時間の浪費」から解放して、ちゃんと価値ある“資産”に変えていくことなんですね。
今後はAIの技術もどんどん進化していくと思いますし、会議の中で出てきた話や意思決定を、ただ録画して終わりじゃなくて、ちゃんと“組織の知識”として蓄積・活用できる仕組みをつくっていきたいと考えています。
いちいち録画を振り返るというよりも、AIが自動でアクションやナレッジを抽出してくれて、「次にどう動くか」まで提案してくれる。そんな流れを実現したいんです。
会議って、これまで「終わったら忘れられるもの」になりがちだったと思うんですけど、ちゃんと記録されて、知見が散らばらずに残っていく状態をつくれば、“過去の反省材料”じゃなくて、“未来をつくる機会”になると思っていて。そこはすごく大事にしている部分ですね。
—— どのような働き方を目指していますか?
時間や場所を超えて世界中で働くすべての人が、より効率よく時間を使え、成果に繋がる仕事により多くの時間を割くことができるような働き方を作る支援をしてまいります。実際に、弊社 は従業員が16ヶ国に点在しておりますが、ほぼすべての会議が録画されていて、全社員がいつでも閲覧して、インサイトを得られるようになっています。
面白いことに、録画されているから構えて会議に参加するというより、「真剣に会議に参加しよう」「相手に敬意を持って接しよう」という空気が自然に生まれるんですよね。
遅刻もなくなりますし、発言内容にも責任を持つようになります。
全員がリモートでも、「お互いの会議内容を見られることで組織としての一体感が生まれる」と私自身、強く実感しています。
このカルチャーは、ぜひ日本企業にも届けたいなと思っている部分です。
—— その未来像に向けて具体的に何を進めているのですか?
私たちは、AI技術のさらなる研究開発と、ユーザーフィードバックを基にしたサービスの改善を続けています。また、会議の内容を分析し、組織全体の知識資産として蓄積できるプラットフォームの構築を進めています。長期的には、会議の記録だけでなく、その内容から次のアクションやアイデアを自動生成したり、AIが会議の質を評価したりする仕組みも目指しています。
実は2022年4月のサービス提供開始以来、日本にまだ誰も担当が居なかったにもかかわらず、日本国内の登録ユーザー数は10万人を超えており、2023年から2024年にかけて12倍に成長しています。
今後は、直販営業とパートナー制度の両方をうまく活かしていきながら、2027年末までに「従業員30人・登録ユーザー150万人・ARR15倍」を目指す形で、組織の拡大を計画しています。
もちろん、いきなり大規模に人を増やすというよりも、まずは「今、使ってくださっている方々にもっと満足していただくこと」を一番大事にしています。そこが、私たちにとっての一番の成長ドライバーだと思っています。
—— tl;dvでは、どんな働き方や価値観が生まれると考えていますか?
私たちは、会議そのものが“未来をつくるための大事な資源”になると本気で思っているんです。
ただの報告や確認の場ではなくて、そこで出てきたアイデアや意思決定の経緯をちゃんと残しておくことで、「次の一手」につながるんですよね。
そうやって蓄積された知見が、次の改善やイノベーションに生きてくる。結果として、みんながもっとスマートに働けるようになって、組織全体としても柔軟で前向きな文化が育っていく。そんな働き方を実現していきたいと思っています。

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