
ASMR動画は、「音を楽しむ」動画として、今絶大な盛り上がりを見せています。
実は、このASMRが生成AIで簡単に作成できるのをご存知でしたか?
今、SNSではAIで生成されたASMR動画が密かにブームを巻き起こしています。
ガラスの果物を切る音、豆腐ドミノが水に落ちる音——現実では見られない「音×映像」の世界観に、多くのユーザーが癒されているのです。
しかも、これらの動画は誰でも簡単にAIで作れるのがポイント。画像や音をつくるプロンプト(指示文)さえ工夫すれば、あなたも今すぐ“ASMRクリエイター”になれます。
この記事では、AI×ASMR動画の魅力や作り方・注意点を初心者にもわかりやすく解説。実際に使えるプロンプト例も紹介します。
そもそも「ASMR」ってなに?
「ASMR」とは、Autonomous Sensory Meridian Response(自律感覚絶頂反応)の略称で、心地よい音や視覚刺激によって頭や背中にゾワゾワとした感覚を引き起こす現象のことを指します。
たとえば──
- 耳かきやささやき声
- 紙をめくる音、キーボードを打つ音
- 氷が割れる音や水の跳ねる音
など、日常にある“なんとなく気持ちいい音”がASMRとして扱われることが多く、寝る前のリラックス時間や、作業用BGMとして視聴する人が増えています。
「AI×ASMR動画」ってどういうもの?
近年は、このASMRに AI技術をかけ合わせた「AI×ASMR動画」が注目を集めています。
AIによって以下のような要素が自動で生成され、従来のASMRと一味違う体験を提供しています。
- 映像: MidjourneyやVeoで生成されたファンタジー系ビジュアル
- 音声: Klingなどで作られたAI音響(木の擦れる音、氷を削る音、水滴の落下音など)
これにより、非現実的でアート性の高いASMR動画が誰でも簡単に作れるようになりました。
たとえばこんなAI×ASMR動画が話題に

今のトレンドは以下の3つのようです。(Tiktok、X調べ)
- もちもちのキーボードを叩く音
- ガラスのフルーツを包丁で切る音
- ガラスのお人形にメイクを施す音
もともとキーボードの打鍵音や、食べ物を切る音、そしてメイクアップASMRは生成AIが台頭する以前から大変人気でしたが、今はAIで非日常的なビジュアルを簡単に作成出来るため、「音だけでなく目で見ても楽しめる」コンテンツに変わってきているようです。
AIを使ってASMR動画をつくるには?

ここでは、画像・映像・音を組み合わせて、AIでASMR動画を作る流れを2つの方法に分けて紹介します。
方法①:画像を元に、動画+音を後付けする
この方法では、画像生成AI(例:Midjourney)でベース画像を作成し、それを動画生成AI(例:Kling)に読み込ませて動きをつけ、最後に音声AIでASMR音を追加するという3段階の工程です。
手順
- Midjourneyで元画像を生成(プロンプト設計がカギ)
- Klingに画像を読み込ませて、10秒前後のループ動画を生成
- Klingまたは別ツールでASMRに合う効果音(擦れる音、ザクザク音、ポチャン音など)をAI生成
- 必要に応じて動画編集アプリで音のタイミング調整や軽い編集
📌 ポイント
「画像から作る」方法は、動画の自由度が高く、ASMRに合う“ありそうで現実にはない動作”を演出しやすいのが特徴です。
方法②:動画も音も一括生成する
より簡単に済ませたい場合は、Veo 3のような高機能動画生成AIを使って、一気にASMR動画を生成する方法もあります。
- Veo 3のプロンプト画面で「主役」「動作」「音」「カメラ構図」などを具体的に入力
- 画像・映像・音が一括で生成される(生成までに少し時間がかかることも)
気になる点があればプロンプトを調整して再生成
📌 ポイント
この方法は「簡単・早い」がメリットですが、細部の調整や音のバリエーションにこだわりたい場合は①の方法の方が自由度が高くなります。
それでは、今回は、より簡単で始めやすい方法②【動画も音も一括生成する】やり方について解説していきます。
Veo 3でASMR動画を一括生成する

Midjourneyで画像を用意してKlingで動画化する手順に比べて、Google発の動画生成AIであるVeo 3は「映像+音声」の両方をプロンプト1本でまとめて生成できるのが特徴です。
「画像づくりは面倒」「音と映像の統合が苦手」という方に特におすすめの方法です。
Veo 3で動画を作る流れ
- Veo 3の画面にアクセス(Google AI Studioの有料アカウントが必要)
- プロンプトを1本用意して送信
- 動画と音がセットになって自動生成される
- 必要があれば編集 or 再生成する(一日に3回まで)
プロンプト構造のテンプレート
Veo3は、日本語にも対応していますが、英語での命令文の方がよりイメージに近づいた動画を生成する事ができます。
以下の構造を参考に、Veo用のプロンプトを英語で書いてみましょう。
英語でどうやって言えばいいかがわからない人は、まずChatGPTに「ガラスのお人形にメイクをするASMR動画を作りたいから、Veo3用のプロンプトを英語で作成して」などで英語の文章をAIに作ってもらうのがおすすめです。
項目 | 内容の例 | 日本語 |
スタイル | ultra-realistic macro ASMR video | 超リアルなマクロASMR動画 |
シーン設定 | on a wooden tabletop at soft daylight | 柔らかな日差しが差す木製のテーブルの上で |
主役 | a fluffy hedgehog in a tiny vest | 小さなベストを着たふわふわのハリネズミが |
動作 | rubs two tiny wooden blocks – “shrrk” “crrk” sounds | 2つの小さな木のブロックをこすり合わせて、「シュルッ」「クルッ」という音を出す |
カメラ | vertical 9:16 locked shot, loopable 10 s | 縦長の9:16で固定された画角、10秒でループ可能 |
フォーカス演出 | macro depth, soft light, shallow DOF | マクロ撮影の奥行き、柔らかな光、浅い被写界深度 |
禁止要素 | no text, no transitions, no logos | テキストなし、切り替え演出なし、ロゴなし |
例文プロンプト
ultra-realistic macro ASMR video: a cute hedgehog in a linen vest rubs two tiny wooden blocks on a rustic tabletop at golden dusk. soft ambient lighting, shallow depth of field, amplified “shrrk-shrrk” wood texture sounds, vertical 9:16 locked shot, loopable 10 s, no text or logos
まずは何でもいいからASMR動画を作成してみたい!という人はこの文章をVeo3に入力して動画を生成してみてくださいね。
ASMR動画を作るときの注意点3つ

AIを活用してASMR動画を作る際には、「気軽に作れる」反面、無意識にルール違反をしてしまうリスクもあります。以下の3点に注意して制作しましょう。
音の著作権・ライセンスを確認する
AIで生成した音も、著作権侵害のリスクがゼロではありません。特に以下の点に注意してください。
- 有名人や配信者の声に似せすぎない
- 既存のBGMをAIに再構築させない
- 出所不明なAI音源を商用利用しない
生成元のツールが「商用利用可」かどうかも事前に確認してくださいね。
プラットフォーム規約に従う
TikTokやYouTubeなど主要なSNSでは、AI生成コンテンツに関するルールが厳しくなってきています。
- AIで生成したことが分かるよう「AI使用ラベル」を付ける
- ウォーターマークは削除せず残す
- 規約変更には敏感になる
アップロード後のペナルティを防ぐため、ルールは必ず確認しましょう。
「心地よさ」を壊す音を入れない
ASMRの本質は「聴き心地の良さ」。
AI生成の音には、時として「金属音」「キュッとした摩擦音」など、意図しない不快音が混ざることもあります。
必ず再生チェックを行い、気になる音は再生成や音声編集ツールで調整しましょう。
まとめ:ASMRの世界をAIでもっと自由に
AI技術の進化により、ASMR動画の制作は特別な機材やスキルがなくても可能になりました。
MidjourneyやKling、Veoなどのツールを使えば、想像を超える“音と映像の体験”を誰でも創り出せる時代です。
制作にあたっては、「心地よさ」と「ファンタジーさ」のバランスが重要です。
少しずつ生成を繰り返しながら、自分だけの“とっておき”のASMRコンテンツを育ててみてください。