
昨今、多くの企業で営業部門やカスタマーサクセス部門が直面する課題として、提案後の顧客検討状況が不透明になり、フォローアップに多くの手間がかかるケースが増えています。効率的なアプローチ方法を求める声が高まる中、営業活動における「ブラックボックス化」を解消するソリューションが注目を集めています。
こうした背景のもと、従来のメール送付や資料共有といった、社外コミュニケーション手段の課題を刷新し、提案から制約までの工程を可視化するツールとして「コレタ for Sales」が開発されました。「コレタ for Sales」は、営業担当者が顧客行動を把握し、組織全体の営業プロセスを標準化しながら成果を高めることを目指しているソリューションです。
今回は、「社外コミュニケーションを変革する」という理念のもと「コレタ for Sales」を手がける、株式会社エヌケーエナジーシステム CEOの野田和也さんにお話を伺いました。
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営業後の「ブラックボックス」を解消する可視化ツール「コレタ for Sales」
—— まず、御社のツールについて、営業部門やカスタマーサクセス部門が直面している課題をどのように解決するのか、お聞かせください。
野田 解決できる課題はいくつかあるのですが、一番大きいのは「提案から制約に至るまでのブラックボックス化」を解消することです。
提案段階で「資料やメモをまとめて送ります」といって顧客にお渡しするものの、実際に顧客が資料を見ているのか、社内で共有されているのかといった検討状況がわからず、営業担当者は何度も「検討状況いかがですか?」と連絡しなければなりません。
デジタルセールスルーム「コレタ for Sales」は、この「顧客が資料にどうアクセスし、どう検討を進めているのか」を可視化することで、営業担当者が手間をかけずに状況を把握できるようにします。こうした「提案後の見えない部分」を見える化する点が、他のツールにはない大きな差別化ポイントといえます。
デジタルセールスルームとは、営業チームと顧客がオンラインで商談資料やプロジェクト情報を共有・管理できる専用ポータルです。商談プロセスを可視化し、効率的かつスムーズな営業活動を支援します。
導入後の具体的効果は売上アップ、業務削減、イネーブルメント
—— 実際にコレタ for Salesを導入した企業では、どのような具体的な変化がありましたか?
野田 導入後の効果は大きく3つの観点で捉えています。1つ目は売上アップ、2つ目は業務削減、3つ目はイネーブルメント*です。 *イネーブルメント:営業活動全般の底上げ
売上アップの観点では、提案後に顧客が資料をどう検討しているか把握できるため、「裏で実は検討されていた案件」にもアプローチが可能になります。特に単価の高いソリューションを扱う企業では、1件の受注が数百万円〜数千万円単位になるケースがあり、可視化による追加フォローが成約機会を拡大します。
業務削減の観点では、商談準備時の顧客情報収集が効率化されます。これまで法人データベース契約やインターネットリサーチで多大な時間を費やしていたところ、コレタ for Salesなら会社名を入れるだけで、組織情報や役職者の経歴、関連メディア情報などを自動的に引き出し、事前調査を圧縮できます。
イネーブルメントに関しては、商談の進め方やヒアリング項目などをテンプレート化しておくことで、新人や営業未経験者でもベテラン並みの商談品質を担保しやすくなります。これにより、営業活動の属人的なばらつきを抑え、チーム全体のスキル底上げを実現します。
導入の効果
—— 先ほど属人的なばらつきを抑えるというお話がありましたが、新卒社員や営業未経験者がコレタ for Salesを使ったことで変化が起きた事例はありますか?
野田 実例として、営業未経験に近い若手が少数精鋭のチームに配属されたケースがあります。忙しいベテラン層がなかなか新人育成に時間を割けない状況でしたが、コレタ for Salesが蓄積したノウハウとAI機能により、若手はわざわざ先輩に何度も質問せずとも、基本的な商談進行や顧客理解を進めることができました。
これによって、従来なら属人化していたナレッジが標準化され、育成コストが軽減されます。若手は自力で成長しやすくなり、結果的に早期戦力化が可能になります。これはベテラン側にもメリットがあり、彼らは顧客対応に専念できるため、チーム全体のパフォーマンスが上がる好循環を生んでいます。
成果指標・ROIと初期費用の内訳を明確にする
—— 実際にコレタ for Sales導入後の改善効果として、「商談準備時間が30分から5分に短縮」「成約率が15%向上」といったデータを拝見しました。これらの数値はどのような経緯で実現されたのでしょうか? また、導入企業のROI*についてもお聞きしたいです。 *ROI:Return On Investment.投資対効果
野田 効果の出方は、業種や商材のリードタイムによって異なります。IT系ツールの場合、提案から制約まで2〜3ヶ月のケースもありますが、SIやコンサル系の企業だと半年以上かかることもあります。よって、3ヶ月だと明確な効果測定が難しい場合もありますが、4~6ヶ月といったスパンで見ると、受注率や次段階のKPI*が徐々に改善していく傾向が見られます。 *KPI:Key Performance Indicator.重要業績指標
一度に受注率が大幅に跳ね上がるというよりは、提案後の検討状況が見える化されることで、二次・三次KPI(見積もり提出や有効商談数など)の歩留まりが少しずつ良くなり、結果的に最終的な成約率が底上げされるイメージです。ROIに関しては、商材や顧客ターゲット次第で変動しますが、長期的な視点で導入いただくことで、受注の機会損失を減らし、投資回収につなげることが可能になります。
コレタなら解決できます
—— 初期費用として「AIプリセット費用」という項目がありましたが、これはどういった工数に充てられる費用なのでしょうか?
野田 「AIプリセット費用」はアセスメントやプロセス確認、それに基づくセットアップのためのコンサルティング工数です。現状は導入初期段階で企業ごとの営業プロセスやナレッジをAIに取り込み、カスタマイズするための費用として設定しています。今後、ユーザー数が増えて数百社、数千社規模となった際には、プロフェッショナルサービス的な形で明確なコンサルティングパッケージを用意するかもしれませんが、現時点では必要な初期設定やアセスメントを行うための費用とお考えください。
料金プラン
社外コミュニケーション全般を変革することを目指し、まずは営業領域からアプローチをスタート
—— コレタ for Salesを開発するに至ったきっかけ、背景についてお聞かせください。
野田 コレタ for Salesを思いついたのは、私が前職で営業・カスタマーサクセス部門の責任者をしていた頃の経験が大きな要因です。当時、提案資料を顧客にお渡ししても、それが社内でどう検討されているのか全く見えず、何度も「その後いかがでしょうか?」と確認する必要がありました。さらに、顧客との社外コミュニケーションがメールベースで煩雑になり、営業活動全体が非効率的だったのです。
そうした「ブラックボックス化」や「社外とのコミュニケーションの不便さ」を何とか改善できないかと考える中で、「顧客視点で資料閲覧状況を見える化し、提案から制約までの不透明なプロセスを可視化できる仕組み」が必要だと感じました。これがコレタ for Sales誕生の起点になりました。結果的に、社外コミュニケーション全般を変革することを目指し、まずは営業領域からアプローチをスタートしたのが、現在のコレタ for Salesの開発につながっています。
社外コミュニケーションを変革する
—— コレタ for Salesは貴社の理念・ビジョン・ミッションに対して、どのような意味合いを持っているのでしょうか? また、商談動画解析機能やSFA/CRM*との自動連携機能など、今後の機能拡張計画についてもお聞かせください。 *SFA:Sales Force Automation.営業支援システム。CRM:Customer Relationship Management.顧客関係管理システム。
野田 当社は「社外コミュニケーションを変革する」ことを大きなテーマに掲げています。その中でコレタ for Salesは、まず営業という領域にフォーカスして、メールや資料添付といった従来型のやり取りを進化させ、提案から制約までのプロセスを可視化・効率化するツールとして位置づけています。いずれは社外コミュニケーション全般を包括する存在へと成長させ、メール文化を刷新するようなインフラ的プラットフォームを目指しています。
機能面では、短期的に「商談動画解析」や「SFA/CRM連携」を進めています。たとえば、商談録画データを文字起こし・要約し、重要なトピックを抽出してSFA/CRMに自動反映することで、営業担当者が手入力する手間を省く。同様に、SFA/CRMと密接に連携することで、提案からフォロー、受注に至る一連の流れをシームレスにつなぎます。最終的には電話コミュニケーションなど、他のチャネルも取り込み、営業活動全体における「顧客接点データ」の活用をさらに広げていく計画です。
可視化・分析・改善のためのプラットフォームとして信頼される存在になりたい
—— 今後、コレタ for Salesを通じてこの業界でどのようなポジションを確立したいとお考えでしょうか? また、市場をリードしていく上での展望をお聞かせください。
野田 当社としては、「営業×AI」といえばコレタ for Sales、というポジションを目指しています。営業やカスタマーサクセス領域で、可視化・分析・改善のためのプラットフォームとして信頼される存在になりたい。それが、業界内での一つのゴールです。
従来、営業活動の生産性向上は難しい課題とされてきましたが、コレタ for Salesがあれば、「提案後の不透明な部分が見える化される」「個人に依存しないノウハウ共有が可能になる」といった形で、営業チーム全体の底上げが可能になります。
将来的には、ただ問題を可視化するだけでなく、レコメンド機能や自動アクションを強化することで、より戦略的な営業アプローチが自然に実行できる仕組みを提供し、マーケットをリードしていきたいと考えています。
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